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近況報告

2011年11月25日 師走間近になりました。藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君,お元気ですか。報道に接する度に遅々として進まない東日本大震災・津波被災地の復旧にもどかしさすら感じます。 今夏は節電に協力すべく30度超えでも冷房を殆ど使用しないで過ごしました。無理がたたり秋口に「秋ばて」でした。10月初旬の職場定期健康診断では,採血データが模範的・理想的で一安心です。 さて明治学院大学は68歳定年のため,今秋が最後の機会と思い,11月末に海外調査出張を計画したものの諸般の事情で見送りました。つい先頃(今月中旬),行政法後任人事の関係で例外的に1年間限り定年延長が機関決定されました。この結果,2013(平成25)年3月(69歳)に退職です。そこで本年同様明2012年も,欧州ガス会議を中心にした調査出張を考え始めています。 次に10月1日付で所属事務所が,卒業生の弁護士佐藤貴夫君とともに千代田区霞が関1-4-1「霞が関法律会計事務所」(電話03-3519-8070,03-3519-8077)に移りました。事務所の最寄り駅は地下鉄銀座線「虎ノ門」で,7番出口の進行方向右手すぐ,正確には東陶(TOTO)ビルの小路をはさんだ「日土地ビル」4階です。ビルの隣は旧郵政省,さらに経済産業省というふうに,文字通り霞が関官庁街です。 審議会活動では,既報の通り本年1月に任期10年条項によって防衛人事審議会を退きました。当時の北沢防衛大臣から感謝状をもらいました。旧郵政省時代からの情報通信は,情報通信審議会及び情報通信行政・郵政行政審議会の専門委員を継続しています。両審議会の役割分担は,前者が政策立案,後者が省令改正及び許認可等のルーティン・ワークです。私が扱う事項は,NTT東西設備及び携帯事業者の設備の接続問題(接続政策委員会及び接続委員会)とユニバーサル・サービス(ユニバーサル・サービス政策委員会及びユニバーサル・サービス委員会)です。 他方,肝心のエネルギー関係の審議会は,政権交代・首相交代後も相変わらず無縁です。いったん審議会委員から外されたら委員への「復活」は至難の技です。幸いなことに,公益事業学会,エネルギー総合推進委員会(1987年から専門委員会委員)の月例委員会,次世代ネットワーク研究会(事務局・エネルギー総合工学研究所)等の場での定期的耳学問のほか,これら人脈を生かして...

近況報告(2011年6月12日)

 藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君、お元気ですか。東日本大震災・津波から 3 か月が経ちました。被災された方、郷里や親族・友人に被災者をお持ちの方に、心よりお見舞い申し上げます。  目下、春学期の真っ最中です。明治学院大学(以下「明学」)、慶應義塾大学(以下「慶應」)ともに法科大学院は通常の学事日程通り開講しましたが、明学の学部は 5 月連休明け、慶應の法学研究科は 1 週間遅れでの開講でした。春学期の担当科目は、明学は法科大学院(公法応用)と学部(行政法Ⅱ及び演習)、慶應は法科大学院(現代行政争訟)と法学研究科(行政法合同演習)です。  『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』の書評として、その後、岸井大太郎教授による公益事業学会誌『公益事業研究』 62 巻 2 号 77 ~ 78 頁が出ました。さらなる研究への期待も込められた極めて友好的な書評で、大いに勇気づけられました。  第 31 回エネルギーフォーラム賞の選考結果及び審査委員のコメントがエネルギーフォーラム 2011 年 5 月号 94 頁以下に詳細に収録されています。候補作品選定の投票で小著が 8 位につけたこと、社会科学者の深海先生、佐和先生の 2 名から授賞の推薦を戴いたことが判明し、受賞を逸したものの、これまた大いに力づけられました。なお速報でお知らせしたように、日本公共政策学会から学会賞授賞が決まりました。  5 月の欧州出張時に、いつものようにエネルギー法研究の原点であるケルン市の聖フランシスコ病院前に立ち、日本公共政策学会学会賞受賞の喜びとともに、 10 年くらい前から暖めていたテーマを次の課題として設定しました。ボン大学のシュミット=プロイス教授( Prof.Dr.jur.Schmidt-Preuss )宅での夕食時にご夫妻にも報告したのですが、東京電力の原子力発電所事故を契機に世上で再燃しつつあるアンバンドリング論(電力では発送分離論、テレコムでは NTT 東西の設備・サービス分離論)がそれです。 3 年がかりを目途に、ことに欧州の動きも視野に入れ、歴史・理論・政策の三位一体の大論文を仕上げることです。同教授夫妻からも大いに激励されましたが、我ながら大風呂敷を広げ過ぎている感がしなくもありません。 [研究アウトプット] ■ 前回未公刊の「住民訴訟の審理に関する一考察:砂川政...

新著情報

「デジタル思考からアナログ思考へ:エネルギー政策再検討に求められる視点」月刊ビジネスアイエネコ44巻5号(2011年5月)

日本公共政策学会「学会賞(作品賞)」受賞!

このたび,『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(日本評論社)に対して,日本公共政策学会から「学会賞(作品賞)」が授与されることとなりました。授賞式は,来る6月18日(土)~19日(日),北海学園大学(北海道札幌市)で開催される同学会大会中に行われます(18日夕方の総会で審査結果の発表,続く懇親会において授賞式が行われる予定です)。

近況報告(2010年12月6日)

 今年も残り少くなりました。しばらくご無沙汰しましたが,藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君,お元気ですか。  当方,夏休みに厳しい暑さの中,(後掲④の)論文執筆との格闘(といっても完成はやっと秋)がたたった(?)のか,我ながら頭髪の老けが顕著です。目下秋学期(明治学院大学法科大学院及び学部7コマ+慶應義塾大学大学院1コマ)真っ最中で,授業準備(+学外審議会・研究会)に追われています。インフルエンザ予防の3種混合ワクチン接種のおかげか,まだ風邪を引いていません。  前回(2010年4月14日)報告の『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(日本評論社,2010年3月)のその後について報告します。刊行時に書評を期待し業界誌紙を含めかなり献本しましたが,反応があったのは月刊誌『エネルギーフォーラム』です。いち早く5月号107頁に書評が出ました。その後,日本公法学会機関誌『公法研究』72号(有斐閣,2010年10月)の大橋洋一教授による「学会展望・行政法」欄では,「情熱と執念のこめられた作品」と,最大級の好意的な紹介でした(269頁)。 [学外の公職]  前回から変化はありません。明年1月には,防衛人事審議会委員が「10年満期」を迎えます。 [研究アウトプット]  前回未公刊だった「公取委の審判事件記録開示(1)審判事件記録開示を請求できる『利害関係人』の範囲」『経済法判例・審決百選』(224~225頁)が4月末に刊行されました。  4月以降に執筆し,刊行されたものは,以下の2点です。 ① 高知県東洋町での「公務員(農業委員会委員)が議員の解職請求代表者となることを禁止する地方自治法八五条に基づく同法施行令を無効とした事例(最大判平21・11・18)」判例評論619号164~173頁 ② 「特集・検証:再生可能エネルギーの全量買い取り制度」のうち「エネルギー政策間,環境政策との整合性ある制度設計を」『ビジネスアイ・エネコ』11月号22~25頁  12月6日現在,校正段階にあるのは,以下の2点です。 ③ 「特集・21世紀日本法の変革と針路」のうち「エネルギーの法と政策:10年の回顧と展望」ジュリスト1414号(2011年1月1日号・15日号合併号,2010年12月下旬刊行予定) ④ 「住民訴訟の審理に関する一考察:砂川政教分離最高裁判決を中心として」法学研究84巻...

新着情報

『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(日本評論社) 388 頁 ISBN978-4-535-51742-4 定価7千円(本体価格) 「次代のエネルギー,太陽光発電の可能性:政府の本気度を問う!求められる政策の整合性」『月刊ビジネスアイ・エネコ』4月号42~45頁(日本工業新聞新社) 雑誌コード番号17775-04

近況報告

 藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君,お元気ですか。  昨2009(平成21)年3月に慶應義塾大学(以下「慶應」という)を定年退職し明治学院大学法科大学院(以下「明学」という)に移って丸1年が過ぎました。明学は3学年間と聞いていますので,ちょうど折り返し点にかかったところです。今学年度は,慶應の非常勤として,法科大学院春学期選択科目「現代行政争訟」1科目のほか,留学教員の穴埋め的助っ人として法学研究科「行政法合同演習」通年1科目を担当します。  前者の法科大学院授業は,明学の学部授業終了後で,後者法学研究科授業は,明学の授業前です。そこで,いままで以上に頻繁に高輪校舎・三田間を移動します。実は今年3月下旬に品川・三田間に毎時3本程度の港区「ちぃばす」と称するバス路線が開設されました。高輪警察前・三田三丁目間を乗車すれば,キャンパス移動時間を短縮できるはずです。ところがこの路線には港区役所経由の便もあり,それがどういうルールなのか見当が付かないため,まだ利用していません。そこで全行程散歩か,JR品川・田町経由で移動しています。この散歩道の高輪2丁目にイタリアン・レストランのトレミール (Tremeal) があり,昼食時によく立ち寄ります。献立は,よく工夫されていると思います。 [学外の公職]  前回の近況報告(昨2009年9月21日)から変化はありません。 [研究アウトプット]  前回の近況報告で予告したように,『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(日本評論社,2010年3月)が刊行されました。最終講義で公約(?)の未達の著書2点のうちの1つです。藤原ゼミ卒業生で日本評論社法律編集部田中早苗さんの協力のもと,慶應時代の既発表の論文を統一課題のもと部分的に補筆しつつまとめ,序章と結章とを書き下ろしたものです。本書の刊行には,明治学院大学学術振興基金からの出版助成を受けています。  前回の近況報告で脱稿したが未校正と述べていた加除式の追録2件,第一法規(自治法)及びぎょうせい(情報公開),いずれも刊行されました。また,ジュリスト『経済法判例・審判百選』は,4月26日発売とのことです。  4月に,日本工業新聞新社(フジ産経グループ)の『月刊エネルギー』と『月刊地球環境』が統合され『月刊ビジネスアイ・エネコ(Business i. ENECO)』が誕生しました...