近況報告(2011年6月12日)
藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君、お元気ですか。東日本大震災・津波から3か月が経ちました。被災された方、郷里や親族・友人に被災者をお持ちの方に、心よりお見舞い申し上げます。
目下、春学期の真っ最中です。明治学院大学(以下「明学」)、慶應義塾大学(以下「慶應」)ともに法科大学院は通常の学事日程通り開講しましたが、明学の学部は5月連休明け、慶應の法学研究科は1週間遅れでの開講でした。春学期の担当科目は、明学は法科大学院(公法応用)と学部(行政法Ⅱ及び演習)、慶應は法科大学院(現代行政争訟)と法学研究科(行政法合同演習)です。
『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』の書評として、その後、岸井大太郎教授による公益事業学会誌『公益事業研究』62巻2号77~78頁が出ました。さらなる研究への期待も込められた極めて友好的な書評で、大いに勇気づけられました。
第31回エネルギーフォーラム賞の選考結果及び審査委員のコメントがエネルギーフォーラム2011年5月号94頁以下に詳細に収録されています。候補作品選定の投票で小著が8位につけたこと、社会科学者の深海先生、佐和先生の2名から授賞の推薦を戴いたことが判明し、受賞を逸したものの、これまた大いに力づけられました。なお速報でお知らせしたように、日本公共政策学会から学会賞授賞が決まりました。
5月の欧州出張時に、いつものようにエネルギー法研究の原点であるケルン市の聖フランシスコ病院前に立ち、日本公共政策学会学会賞受賞の喜びとともに、10年くらい前から暖めていたテーマを次の課題として設定しました。ボン大学のシュミット=プロイス教授(Prof.Dr.jur.Schmidt-Preuss)宅での夕食時にご夫妻にも報告したのですが、東京電力の原子力発電所事故を契機に世上で再燃しつつあるアンバンドリング論(電力では発送分離論、テレコムではNTT東西の設備・サービス分離論)がそれです。3年がかりを目途に、ことに欧州の動きも視野に入れ、歴史・理論・政策の三位一体の大論文を仕上げることです。同教授夫妻からも大いに激励されましたが、我ながら大風呂敷を広げ過ぎている感がしなくもありません。
[研究アウトプット]
■ 前回未公刊の「住民訴訟の審理に関する一考察:砂川政教分離最高裁判決を中心として」法学研究84巻2号503~564頁(2011年2月)が刊行されました。
■ 月刊ビジネスアイ・エネコ7月号(6月29日発売予定)に、速報であった同誌本年5月号の続編として、再生可能エネルギーの実現性についての論考が掲載予定です。