近況報告 2021年12月12日(日)
先便の「わが国コロナ・パンデミック危機管理前史――感染症法制定から2020年3月特措法改正まで」(8月1日脱稿)は、法学研究94巻12号~95巻3号の4回分載が決まり、今月に入って続々とゲラが届き、校正に追われています。このため近況報告執筆が遅くなりました。
[コロナ・パンデミックその後(巣ごもり通信)]
変異株オミクロン報道もあり、「巣ごもり」の警戒レベルを上げ、月1の通院以外の買い物の回数は激減です。
今秋「金婚式」で、夫婦での写真撮影と温泉旅行の計画でした。しかし年齢とともに写真に残したくない顔(?)になりつつあり、45周年の高島屋写真館のもので代用することにして、撮影は断念。他方、旅行は、移動の列車・宿舎・浴場等での新型コロナ感染リスクを考えると、尻込みです。かくして金婚式当日は、パルシステム(生協)で配達させた北京ダックとフカヒレスープでささやかな非日常的夕食で済ませました(当夜アルコールをいっさい飲まなかったことに後日気付きました)。
先便でも言及の運動不足解消のための自宅での運動について。先月中旬、突然前屈中に左膝の痛みを感じ(原因不明です)、体操メニューをセーブしました。数日間、左膝をかばうと右膝や右腰に違和感を感じました。その後数週間で体操するのに支障はなくなり、今は全メニューをこなしています。どうかご安心下さい。
[執筆]
先便で、上記論文以降の新型コロナの動きを自治実務セミナー「町内会長が見た行政法」に執筆するつもりといいましたが、懸念したブーメラン効果もあっていまだ終息の気配はなく、後遺症を含めて苦しんでいる人がいるなかで、落語調での執筆というのは不謹慎な気がして、当分の間は見合わせることにしました。
加除式の追録執筆作業に話を移しますと、『情報公開等審査会答申事例集』(ぎょうせい)は、当初から法人情報の項を担当しています。このところ恒例ですが、青木淳一君に収録候補の答申を予めスクリーニングしてもらい、それにもとづいて収録候補を決定し原稿に起こす作業です。結構根気のいるしんどい作業で、ここ数年は、原稿提出後、しばし体調不調に見舞われます。そろそろ若手にバトンタッチの時期かと思います(私も編者の一人ですが、後任の人選権限が誰にあるのかは不明です)。
最後に次の論文論題候補を披露します。すでにいくつか候補を考えています。たとえば第1候補は、脱炭素への過渡期における化石燃料高騰にみるように、1970年代とは違った意味での「エネルギー危機」です。
第2候補は、「法と政策」にとどまらない現実の政治に一歩も二歩も踏み込む8月脱稿原稿にもかかわる「コロナパンデミック時代のわが国の法と政治」(仮題)です。わが国はなぜ初期段階でパンデミック対応に遅れをとったのか、なぜ感染リスクを高めてまで公金無駄遣い以外の何物でもない Go to TRAVELという怪しげなキャッチフレーズがまかり通ったのか、最近の岸田政権でいえば、なぜ概念の内包・外延未成熟のまま「新資本主義」や「分配」を唱えて、株式市場を混乱させたり革新政党でもあるまいに社会の不満分子をあおるのか、なぜ生活困窮者をあとまわしにして18歳以下に現金給付という公明党公約を優先させるのか……といった疑問に答えたいと思うのです。総論として、わが国政・官界の権力構造のほか、各論では、官房機密費、「政党」助成、小選挙区制、公営選挙等の制度の問題点が浮き彫りにされるはずです(=ますます叙勲や褒章とは無縁になります)。
とはいえ、第1候補、第2候補ともに、現時点で原稿にするだけのまとまった構想には至っていません。このところ私の法学研究誌上の論文は、2018年、2021~2022と3年に一度のペースなので、1作目は2~3年かけ、2作目は記念すべき『法学研究』第100巻にと思いを馳せています。ところがどっこい、本年すでに喜寿を迎えたため、残された寿命との相談になりそうです。
[社会貢献]
今回の新型コロナの影響を受ける層への援助のために寄付を募るクラウド・ファンディングができましたが、東京コミュニティ財団が、ファンドの寄付金分配を決める仕事を分担していました。私は上記財団の助成委員会委員をつとめているため、昨年来この作業にかかわっています(といっても電話会議)。全国・全世界規模というよりは地域・国限定型の活動が主流ですが、多くのボランティア団体が、政治・行政の手の届かないところに援助の手を差し伸べていることを実感させられました。
[TV観戦]
前回の東京五輪は学部3年生で、開会式だけを親戚の家で観た記憶があります。今回、「前回の施設を再利用して極力費用をかけない」という東京五輪招致の際のキャッチフレーズは守られず、箱物に多額の費用を掛け、好感をもてません。また「おもてなし」どころか新型コロナ・リスクから開催自体に懐疑的になります。
とはいえいざ競技のTV中継が始まると、卓球の伊藤(美誠)やバドミントンの奥原が気になります。なかでも卓球は、男女混合ダブルス、男子ダブルス、女子ダブルスと、いずれもメダルを獲得し、ことに水谷選手の頑張りには感動を覚えました。
次にプロ野球・阪神タイガースに話題を移します。春先は他球団の外国人選手の入国が遅れ「鬼のいぬ間の洗濯」で首位に昇り詰めたものの、セパ交流戦以後失速し、やっと2位確保のもののCSで敗退しました。ことに「助っ人」外国人獲得に当たり多額の複数年契約、おまけに最低打席数・最低投球イニング確保の密約つき(?)なのか、多くの有望な日本人選手が二軍暮らしに終わりました。不可解な外国人選手起用による敗戦、選手の疲労を考慮しない固定メンバーでの連戦、恣意的とみえる大学後輩新人の優遇、大事な時期の正捕手の出場機会剥奪、有望な先発候補若手投手の中継ぎ固定起用等、首をかしげる采配にうんざりしていましたので、CS敗退も納得できます。フロント及び監督は留任のようなので、来年はしばし「阪神タイガース・ファンを休止」し、新風を吹き込む北海道日本ハム新庄監督に注目したいと考えています。
[おわりに]
「O Holly Night 」(唄・ Mahalia Jackson )を聴きつつ「よきクリスマス、良き新年をお迎え下さい」。「では次回(明年7 月頃)まで、お元気で」