近況報告(2013年12月12日)

藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君、その後お元気ですか。本年も残り少なくなりました。

去る12月1日(日)、1970年慶應義塾大学助手時代からの指導教授であられる金子芳雄先生の米寿記念で、大学院で指導戴いた弟子の集まりが、帝国ホテルでありました。金子先生はお元気でして、「君、古稀として、あと15年はやれるね」と私におっしゃって下さいました。慶應義塾大学退職時に宣言したライフワーク(先便参照)を仕上げるためには、あと10年くらいを覚悟していますので、その意味でも有り難い激励でした。
私は、慶應義塾在職中最後の教授会において、「慶應義塾退職後も三田に3L(Law School, Library, Lunch)で来る」と予告しました。今年度法科大学院非常勤を御役御免になり「2L」に減少しました。最後のLである昼食は、通常イタリアン「ちょっとローマ」か天麩羅「よし田」でとります。国内出張時には、もっぱらイタリアンを食べ比べますが、「ちょっとローマ」は決して他店にひけをとらないことを実感しています。両店いずれも価格・味ともにお勧めです。10月18日、この「よし田」で、たまたま東京大学醍醐聰名誉教授をみかけました。公益事業学会でともに副会長をつとめ、総務省の情報通信審議会電気通信部会接続員会でもご一緒したのですが、実に久し振りでした。商学研究科か何かに月(つき)1とのことでした。
先便でふれた地域防災拠点(避難所)訓練、10月26日(土)に実施予定でした。台風27号及び28号接近で前日(金)正午の気象情報での開催是非決定を考えていました。しかし諸般の事情で、前々日(木)午後4時、中止を決定せざるを得ませんでした。
日の峰自治会長の年度内最後のイヴェントである「もちつき大会」は12月7日無事終了しました。これで「峠を越えた」といいたいところですが、自治会次期役員引継ぎまでに、街路灯LED化プロジェクト、地域防災拠点(会計報告、新たな補助金申請等)残務整理等が控えており、まだまだ気を抜けません。

[研究アウトプット]

先便で述べた昨年12月の行政判例研究会の報告原稿、「省エネ法に基づく工場単位の燃料・電気使用料等の取得情報の情報公開法5条2号イ該当性」が、自治研究89巻11号128~145頁に掲載されました。なお明年1月25日(=私の古稀の誕生日)に、行政判例研究会で判例報告(内閣官房報償費情報公開請求事件)を予定しています(いずれ報告原稿が自治研究に掲載?)。

[学会活動]

10月、京都立命館大学で開催の日本公法学会に参加。初日は公募報告セッションの横田明美報告に対して、2日目シンポジウム「大規模災害と公法の課題」第2部会で鈴木庸夫報告・中原茂樹報告に対して発言しました。第2部会では、私自身が防災拠点(避難所)運営委員長として感じる実務上の疑問をぶつけました。
昨秋の学会シンポジウムでの私の発言が、学会誌に掲載されています。日本経済法学会編『競争法の国際的執行』(有斐閣)中「シンポジウムの記録」135頁及び租税法学会編『リスク社会と税制』(有斐閣)中「シンポジウム・リスク社会と税制の記録」136~137頁です。前者での私の名前が(小泉と同じ)「純一郎」と誤植です。
昨年度途中から参加している電力改革を論じる公益事業学会政策研究会に本年度も参加しています。これに加えて、同学会ガス制度研究会が発足し、あわせて参加しています。後者の事務局長は、卒業生の兵庫県立大学草薙真一教授です。ガス制度研究会の中間報告をかね、明年3月18日(火)午後1時から日本大学(経済学部)でシンポジウムが開催され、私も登壇予定です(公益事業学会員外も聴講可能なはずです)。
11月25日(月)、このガス制度研究会の活動として、関西電力及び大阪ガスの「姫路LNG基地」視察に出かけました。かつてゼミ合宿で同基地を見学しましたし、審議会で託送制度設計議論の頃に両社施設を別々に見学したことがあります。今回記憶をリフレッシュしました。見学後の夕刻、市内の蕎麦屋で両社との意見交換会がありました(夕食自己負担)。翌日のJRでの帰路、昼食時に震災後につくられた新駅である「さくら夙川」で途中下車しました。トイレにセコムの緊急通報ボタンがあるのには驚きました。甲山(かぶとやま)に向かって夙川沿いに徒歩数分(阪急夙川駅なら直近)でイタリアン「アルテ・シンポジオ」に着きました。この店の訪問は2回目です。場所柄でしょうか、馴染みの三田や高輪の店と比べて値段は数段張る(=年金生活者には厳しい)ものの、前菜、パスタ(いか墨)、いずれも美味でした。

[講演・特別講義]

先便で披露すべきことでしたが、日本大学野木村忠邦教授のご厚意により、7月11日(木)、日本大学大学院で再度特別講義を担当しました。第1部がショール革命のわが国エネルギー市場に与える影響、第2部が電力アンバンドリング(発送電分離)の二部構成です。第1部では、一時的ブームではない冷静な判断が必要なことを強調しました。第2部では、講演当時法案段階だった電気事業法改正案、ことに今後の改革プログラムが記載された「附則」を中心に論じました。質疑応答の時間帯のほか、講義終了後も熱心な聴講学生からの質問がありました。日本大学大学院特別講義では、いつものことながら講義準備のため最新情報をおさらいしたり、過去の私見の検証を含め考えをまとめる等、非常に貴重な機会です。

[映画・コンサート・観劇・カラオケ]

(1) 映画:うっかり見落とすところでしたが、「ザ・シネマ」TV局でイングマール・ベルイマン監督作品が数作品上映されました。放送時間が早朝又は深夜のため、放送された全作品を観ることが出来なく残念です。ベルイマンは、「読書随想・ベルイマン映画の世界」と題して、法学セミナー414号147頁に書いたことがあります。学生時代「いかにも難解」との印象が強い「第七の封印」は、今回は素直に「神の沈黙」が主題と感じました。「神の沈黙」というと、キリシタン弾圧の神父が主人公の遠藤周作の小説も想起されます。この主題は、ベルイマンの他のいくつかの作品にもみられるところです。たとえば「処女の泉」を例にとると、ラストで「泉」が湧くシーンがあります。これを「神のメッセージ」と解するのか、仮にそうならば、どのような意味を付すのか、観客(及び監督自身も?)が問われているように感じます。
(2) コンサート:海外出張時は日程上余りえり好みする余裕はない(換言すればいろいろ試すことが可能な)のですが、普段は、原則内外の超一流演奏家を厳選して聴きに行きます。助手時代から日常的にFMラジオ局でクラッシック音楽を聴いてきました。また15年ほど前、CATVに加入したのがクラッシック音楽専門TV局「クラシカ・ジャパン」開局の頃で、同局は直近の演奏会に限らず20世紀の故人の名演奏を含めて常時放送しています。こうしたことから、かなり耳が肥えているつもりです。
 10月22日(火)は、若手演奏家の腕並み拝見ならぬ腕並み拝聴と、夫婦でサントリーホール「スーパー・コンチェルト」へ出かけました。指揮はアバドの息子、オケは日フィルで、曲目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンはノエ乾)、同・ピアノ協奏曲第1番(ピアノはモナ飛鳥オット)、ドボルザークのチェロ協奏曲(同曲は藤原真理を1階最前列で聴いたのを鮮明に記憶。今回のチェロはレオナルト・エルシェンブロイヒ)で、3曲というのは聴くほうにとって若干ハードでした。気になるオケの乱れが部分的にあったものの、将来有望な若手の演奏(ことにチェリスト)が聴けたのは、一定の収穫です。
(3) 観劇:第二弁護士会楽寿会(古稀以上の会)から11月23日(土)の歌舞伎座昼の部公演の案内が届きました。明年1月で古稀ですから2か月ばかり早い案内ではありますが、夫婦で出かけました。観劇のあとの築地での食事会で、民事訴訟法の専修大学梅本吉彦名誉教授と再会しました。
(4) カラオケ:10月、京都でカラオケの機会があり、先便で挙げたAKB48「恋するフォーチュン・クッキー」、西野カナ「涙色」も披露しました。AKB48は、板野友美(ともちん)ほか有力メンバーの引退により、他のアイドルグループに差別化をはかる彩りがなく、完全に興味が失せました。西野カナの新曲「さよなら」は良い曲ながら、いざカラオケとなると歌えそうもないので、今回は仕込みをパスします。

「では、よきクリスマス、新年をお迎え下さい」。

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