近況報告 2015年7月4日
藤原研究会(藤原ゼミ)卒業生の諸君,その後お元気でお過ごしですか。昨年暮れあたりから成人病予防策として,旧来にも増して超減塩・超脱(獣)脂食を始めました。女房は「だし」以外にはこれといって料理の腕がふるえないとこぼしています。外食,弁当,わけてもパーティ食は問題です。立食パーティは人との出会い・再会・会話がメインであり,料理人に失礼ながら食事は添え物と考える人もいるでしょうが,食事も劣らず重要です。3月のESCJは異例なくらいおいしい刺身が出て助かりました。同月下旬のエネルギーフォーラム賞のときはお手上げです。6月の日本ガス協会(JGA)は腹拵えをして臨んだところ,デザートに好物の西瓜とマンゴーがあり,リフレッシュされました。
以下,本年上半期の報告です。
[研究アウトプット]
落語調の「町内会長がみた行政法」『自治実務セミナー』(第一法規)不定期連載がスタートしました。今のところ隔月です。
「地方税『前納奨励金』の是非」630号63~65頁(昨年12月)
「『ふるさと納税』合戦」632号68~69頁(2月)
「総選挙投票所顛末記」634号63~65頁(4月)
「受動喫煙防止条例ー東京五輪に向けて」636号63~65頁(6月)
[社会的活動]
(1)旧・郵政省時代の電気通信審議会時代からの審議会専門委員は,発令時70歳定年原則にしたがい,退任を余儀なくされました。情報通信審議会は1月初旬,情報通信行政・郵政行政審議会は3月末退任で,1998年の接続小委員会就任から数えて16年半ほどの間,ときには弁護士として(?)つとめました。総務省担当課長からは口頭で謝意を表されました。
先日書斎を片付けていたら「学位記」よりも立派な賞状がありました。一体何かと思ったら,民主党政権下で防衛人事審議会10年退職条項で一律退任させられた際の北沢大臣(当時)からの立派な感謝状でした。
(2)電力システム改革の一環で,電力系統利用協議会(ESCJ)が解散しました。発足時に法律畑の中立者委員として,ルール策定委員会で汗をかいたことが懐かしく思われます。3月17日(火)解散式懇親会で懐かしい面々とも再会しました。席上,経済産業省の某氏に「審議会70歳定年」の話をしましたら,やはり一律適用によって人材を逸する面も否定できないとのことでした。
(3)「もの言う株主」として,3月,某社株主総会に出席しました。なかなか発言者に指名されず,いずれも議案に直結しない質問・コメントばかりで聞いていていらいらしました。「時間の関係であと一人」との司会者宣言にあきらめかけましたが,奇跡的に発言できました。そこで「社外」取締役候補A氏について,「決して個人攻撃する意図はないが,B社現役重役のA氏は,第1に,貴社とB社の取引関係から『独立役員』に該当しないことは議案書にも記載されている,第2に,A氏がC社取締役在任中にC社が監督官庁から複数回改善命令を受け,A氏がD社社外取締役在任中にD社に独禁法違反行為があった。株主としては『独立役員』が望ましいし,コンプライアンスからみてA氏は社外取締役に適任か疑わしい。A氏を社外取締候補に選任する理由を知りたい」と問いました。商事法務あたりの総会マニュアル本にある通り,「××業界での貴重な経験を生かし当社に貢献戴くため」との紋切り型答弁でおわり,直ちに議案採決の移りました。これではA氏の個別具体的問題点に何ら答えていないし,「負」の面を凌駕する余剰があることも証明されません。消去法的に問題行為を起こした企業にかかわった人を外し,××業界の取引関係にない他社から「独立役員」として選任すれば済む単純な話ではないでしょうか。司会者は「総会議案は予め監査役の了解を得ている」というが,それなら何故,監査役の弁護士E氏は,この点を看過したのでしょうか。
大塚家具や電力会社とは異なり,多くの株主総会において,「議案」に関する発言はまれといっても過言ではないでしょう。近時企業統治コード,スチュワードシップ・コードが話題になり株主総会の重要性や株主との対話が推奨されつつあります。しかし実態として多くの会社は,採決を左右する機関投資家や株価を左右するファンド・マネージャーの顔色はうかがっても,零細個人投資家は余りかえりみない傾向にないでしょうか。株主総会において,仮に時間制約で全発言希望に応じられないのであれば,「議案直結の発言を最優先」にすべきではないでしょうか。
株主総会で挙手しやっとの思いで発言の機会を得たとしても,上述のように「暖簾に腕押し」で,実に空しい感じです。自宅から片道千円近い電車代を払って出席しても「手みやげ廃止」が主流と来れば,零細株主はますます出席の意欲がなくなります。今年はたまたま6月下旬に,地元CATVのジュピターテレコム(J:com)買収による電話とのセット料金化工事を予定し,部屋の片付けに気をとられたため,6月の株主総会にはいずれの社も欠席しました。
[学会・研究会活動]
(1)3月17日(火),三田北館での公益事業学会学術研究会(電力)の「電力研究シンポジウム・電力システム改革の展望と原子力の国民価値」の前半に出席しました。恒例のフロアからの発言として,システム改革案がモデルとしている欧州とわが国との国情の差についてコメントしました。
もう一方の公益事業学会「ガス制度研究会」は,政府の大手3社組織分離(法的分離)を織り込んだ改革案が固まったこともあり,昨年3月のシンポジウムの続編として,年度内に激論を展開すべきでしたが,腰砕けになり,機関誌に論文特集を組み,2年間の活動の幕を閉じることになったそうです。
(2)5月9日(土)行政判例研究会でNHK受信料をめぐる判決を報告しました。近々報告原稿をまとめ,今秋頃に自治研究に掲載の見込みです。
(3)6月13(土)・14(日)両日,兵庫県立大学での公益事業学会大会に出席しました。13日評議員会で学会賞委員会委員長としての最後のつとめとして審査結果を報告し,これにより委員長任期満了で退任しました。
14日のエネルギーセッションで,帝京大学橋本悟氏の「都市ガス産業の輸送部門と小売部門のアンバンドリングに関する一考察」について恒例のフロアからコメントしました。
[マスコミ取材]
九州電力川内原発再稼働差止め仮処分申請の鹿児島地裁決定(4月22日)の前日,旗色鮮明な某新聞本社から取材の申込みを受けました。そこで川内原発固有の争点を各紙Web等で確認しつつ,法的には関西電力大飯原子力発電所3,4号機運転差止請求一審判決(福井地判平成26年5月21日)との対比が中心と考え,昨年9月の日本原子力学会セッション講師のときの資料を読み返しつつ,認容・却下双方のシナリオにわけてコメント骨子案を作成しました。
当日「決定要旨」のFAX受信から小一時間でコメントを電話にて伝えました。わが分析が新聞社のお気に召さなっかったらしく,コメントはボツになり,「空騒ぎ」に終わりました。
[カラオケ]
レパートリ-新曲として,遅まきながら西野カナ「ダーリン」を加えた程度です。