近況報告 2017年7月1日
○ 本年4月で藤原研究会(ゼミ)誕生から40年、『法学研究』50巻12号(1977年12月)での「エネルギー法」研究旗揚げから40年の年を迎えています。今年が40周年ということは、あと10年で「半世紀」を迎えます。「近況報告」更新を、2027年まで続けたいものです。
○ 前者の藤原研究会(ゼミ)は、[ゼミOB会]の欄をご覧下さい。
○ 後者のエネルギー法は、1976年5月に盲腸手術で入院中の聖フランシスコ病院(独逸ケルン市)病床で「啓示」を受け、準備期間をおいて開始したものです(三田評論1983年3月号、旧著「はしがき」『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』日本評論社、2010:公共政策学会作品賞受賞)。1985年のミュンスター大学及びゲッティンゲン大学での「電気事業における独占と競争:熱電併給自家発の日独法比較」(公益事業研究38巻1号、1986)、「西ドイツの石油備蓄法(1965年)に関する一考察」(法学研究63巻12号、1990)、コーネル大学での「十九世紀米国電気事業規制の展開(1)(2)(3)(4)(5・完)」(法学研究59巻4、5、6、7、8号、1986。慶應義塾大学法学研究叢書48巻として刊行,1989=公益事業学会賞受賞)は、いずれも原稿用紙鉛筆書きでしたから、学食も自炊食料品買い出し時も、常に執筆途上の原稿を携帯したままでした。1992年から93年のコロンビア大学での「米国における地方ガス配給事業者『バイパス』に関する一考察」(『正田彬教授還暦記念・国際化時代の独占禁止法の課題』所収)、「1920年代米国電気事業:連邦電力規制前史(1)(2)(3・完)」(法学研究66巻10号、11号、1993、67巻1号、1994)は、すでにパソコン時代ですがセキュリティ・リスクも考慮して東芝ルポで作成原稿をフロッピ-ディスクに保存し、FDを持ち歩きました。FDはDOS変換以外に、メーカー間で互換性ができたのですが、最後まで頑張るといっていたカシオも製造中止です。いまだにワープロ派の私にとって、FDも品薄で本体も中古品しかないのは寂しい限りです。
Ⅰ エネルギー法研究
先便で予告のように、前掲『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(2010)のフォローアップをかねて、「3・11以後のエネルギー法」(仮題)と題して論文を執筆のつもりでした。ところが実際に構想を練る過程で、論点が余りに多岐・多様にわたり、いささか途方に暮れました。そこで攻め方として、「石油精製・備蓄・流通」「電力」「都市ガス」「原子力」といった市場毎に(最少4論文として)解析を重ねることを思い付きました。これらにある程度めどがつけば、問題意識毎あるいは市場横断的に(最少1論文として)分析する手順です。これは「コロンブスの卵」にもならない極く当たり前の正攻法的解析です。作戦を確定するまでの間、試行錯誤で時間を空転させました。このため本日現在、活字にできる原稿は未完成です。次回(本年12月頃)には、最低1論文の脱稿を報告したいと思います。
Ⅱ アウトプット
○ 「(町内会長がみた行政法⑧)下水道料の徴収漏れ」自治実務セミナー2017年1月号62~65頁。
△ 「民泊」テーマの「町内会長がみた行政法⑨」未公刊原稿。この半年超刊行が凍結されている間に、旅館業法の一部改正、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊法)成立(平成29法65)と状況変化があり、校正段階でひとひねりが必要です。
・『情報公開等審査会答申事例集』(ぎょうせい)
○ 前者の藤原研究会(ゼミ)は、[ゼミOB会]の欄をご覧下さい。
○ 後者のエネルギー法は、1976年5月に盲腸手術で入院中の聖フランシスコ病院(独逸ケルン市)病床で「啓示」を受け、準備期間をおいて開始したものです(三田評論1983年3月号、旧著「はしがき」『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』日本評論社、2010:公共政策学会作品賞受賞)。1985年のミュンスター大学及びゲッティンゲン大学での「電気事業における独占と競争:熱電併給自家発の日独法比較」(公益事業研究38巻1号、1986)、「西ドイツの石油備蓄法(1965年)に関する一考察」(法学研究63巻12号、1990)、コーネル大学での「十九世紀米国電気事業規制の展開(1)(2)(3)(4)(5・完)」(法学研究59巻4、5、6、7、8号、1986。慶應義塾大学法学研究叢書48巻として刊行,1989=公益事業学会賞受賞)は、いずれも原稿用紙鉛筆書きでしたから、学食も自炊食料品買い出し時も、常に執筆途上の原稿を携帯したままでした。1992年から93年のコロンビア大学での「米国における地方ガス配給事業者『バイパス』に関する一考察」(『正田彬教授還暦記念・国際化時代の独占禁止法の課題』所収)、「1920年代米国電気事業:連邦電力規制前史(1)(2)(3・完)」(法学研究66巻10号、11号、1993、67巻1号、1994)は、すでにパソコン時代ですがセキュリティ・リスクも考慮して東芝ルポで作成原稿をフロッピ-ディスクに保存し、FDを持ち歩きました。FDはDOS変換以外に、メーカー間で互換性ができたのですが、最後まで頑張るといっていたカシオも製造中止です。いまだにワープロ派の私にとって、FDも品薄で本体も中古品しかないのは寂しい限りです。
[研究]
Ⅰ エネルギー法研究
先便で予告のように、前掲『エネルギー法研究:政府規制の法と政策を中心として』(2010)のフォローアップをかねて、「3・11以後のエネルギー法」(仮題)と題して論文を執筆のつもりでした。ところが実際に構想を練る過程で、論点が余りに多岐・多様にわたり、いささか途方に暮れました。そこで攻め方として、「石油精製・備蓄・流通」「電力」「都市ガス」「原子力」といった市場毎に(最少4論文として)解析を重ねることを思い付きました。これらにある程度めどがつけば、問題意識毎あるいは市場横断的に(最少1論文として)分析する手順です。これは「コロンブスの卵」にもならない極く当たり前の正攻法的解析です。作戦を確定するまでの間、試行錯誤で時間を空転させました。このため本日現在、活字にできる原稿は未完成です。次回(本年12月頃)には、最低1論文の脱稿を報告したいと思います。
Ⅱ アウトプット
○ 「(町内会長がみた行政法⑧)下水道料の徴収漏れ」自治実務セミナー2017年1月号62~65頁。
△ 「民泊」テーマの「町内会長がみた行政法⑨」未公刊原稿。この半年超刊行が凍結されている間に、旅館業法の一部改正、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊法)成立(平成29法65)と状況変化があり、校正段階でひとひねりが必要です。
△ 「町内会長がみた行政法⑩」改正個人情報保護法施行(本年5月末)の町内会名簿等への影響について、目下準備中です。
○ 以下の加除式追録を執筆しています。
・『地方自治法』(第一法規)・『情報公開等審査会答申事例集』(ぎょうせい)
[学会・研究会活動]
Ⅰ 公益事業学会大会
○ 6月10日(土)11日(日)両日、東大阪の近畿大学で開催された公益事業学会
www.jspu-koeki.jp/ 第67回大会に参加しました。
△ 年金生活者にとって旅費補助のない全額自腹での学会出張は、経済的・体力的に楽ではありません。新幹線車内雑誌で開業キャンペーン広告をみた「VIA INNあべの天王寺」に宿泊。JR「天王寺」中央改札口から方角わからず、「ドン・キホーテへの宿泊客専用出入口あり」との謳い文句を思い出して、女子高生に「ドン・キはどういけば?」と尋ねたところ親切に教えてくれました。宿はキャンペーン期間で朝食無料でしたが、「焼きたてパン」が売り物で、和食党にとって豆腐・焼き魚等がなく副食に不満です。ドン・キ2階で、牛乳・納豆・豆乳・機能性ヨーグルト(両日)、ヨーグルト(2日目)等を調達し補いました。
○ 6月10日(土)午前の澤田彩報告「日独米の太陽光発電システム産業分析からみる今後の電気事業の在り方」に対して、昨年の澤田彩報告へのコメントの繰返しを避けつつ、「太陽光・風力とも部品メーカーはグローバル市場。国内で一部撤退の動きもある。他方電力供給市場は国内市場。両者を無理やり結び付ける『産業論』は成り立つのか」という趣旨の疑問を述べました。渡邊誠士報告「会計士法と公益事業研究」はM&Aへの言及があったため「M&Aの投資決定における会計分析はわかるが、世上の関心はむしろ、直近の東芝や富士フィルムのように、海外子会社の会計処理への信頼性にある。会計学は、こうした『信頼性』は扱わぬのか?」という趣旨の質問をしました。
△ 同日の昼食、最初にのぞいた学食メニューは、健康食派に到底合わないため、「ほかに学内食堂は?」と案内係の学生に尋ねたところ、親切にもカフェテリアへ案内され、自由選択メニューを満喫できました。
○ 6月11日(日)午前電力セッションの深沢由斗報告「電力・ガス企業と建設業企業におけるCSRの比較考察:環境経営の立場から」に対して、「第1に、使用データの東洋経済社『CSR企業総覧』は信頼性に富むものか?これが二次資料なら個別企業の一次資料に戻る必要はないのか?第2に、建設でいえば、建物・橋梁等の建設段階だけでなく、老朽化やメンテナンスといったライフサイクル・アセスメントまで含んだ意味で『環境』をいうのかどうか?第3に、建設業は事業構造が比較的単純で『環境』対策もやりやすいが、エネルギー供給は(製造・流通・小売等)多層的構造で、『環境』対策も単純ではない、といった事業分野による『環境』の難易度の差もありはしないか?」という趣旨の質問をしました。
○ 同日午後エネルギー・セッションの村上礼子(塾員)報告「公益事業における小売自由化とセット販売:英国の電力・ガス小売料金を対象として」は、悪影響や競争阻害性に消極的分析結果であるが「小売自由化開始時点からの時の経過とともに小売が寡占化され、かつバンドルサーヴィスの弊害もない現状にたどりついたもので、日本でも同様のことが起こるかも知れないとの『仮説』と理解してよいか」という趣旨の発言をしました。
△ 同日の午前・午後を通じて小雀が教室に迷い込みました。数年前の我家での出来事を思い出しました。朝台所で変な音がして調べてみたら、何と小雀が一晩迷い込んでいたのです。あやうく「雀のお宿」になるところでした。
Ⅱ 公益事業学会研究会
○ 「政策研究会(電力)」に、引続き加わっています。
[社会的活動]
Ⅰ 弁護士会
○ 第二東京弁護士会 niben.jp/ では、引続き「情報公開・個人情報保護委員会」委員です。
○ 第二東京弁護士会「情報法制の改善に関する民事・行政の法制度検討ワーキンググループ」(三宅弘・元二弁会長が座長)委員として、引続き活動しています。
Ⅱ その他団体
○ 原子力環境整備機構 https://www.numo.or.jp/ 情報公開適正化委員会委員長に再任されました(任期2年)。
Ⅲ 株主総会
○ 過去2014年7月と2015年7月の近況報告で、株主総会に言及しましたが、今年はおよそ2年ぶりに総会に顔を出しました。私には、社外取締役・社外監査役のお声は一向にかかりませんから、あくまで(おおむね1単位株保有)株主としての出席です。このうち印象に残った例を紹介します。
○ 「SONY」の第百回定時株主総会で、「記念配当はないのか」とのある株主の質問に、「安定的配当、事業資金の確保等の観点から2017年度の配当を決めていく」と一般論的答弁です。「無配」の経営責任を果たさないばかりか億超の高給をむさぼっていた外国人経営者の悪夢の記憶が消えません。「指名委員会」「報酬委員会」と「ガバナンス」の「形」を整えてもその実態は「お友達内閣」ならぬ「お友達委員会」なのか、欧米ならとっくに更迭されるはずの経営者が野放し状態でおまけに高給取りの「お墨付き機関」でしかなく、制御不能・機能不全におちいって「ガバナンス」どころではありません(2014年7月の近況報告参照)。こうした苦い記憶の持主である長期株式保有者にとっては、「待ちに待った業績が上向いたことを祝する記念配当は当然」と発言したかったのですが、司会者は目もくれず「次の質問」へと駒を進めてしまいました。
○ 「富士フィルムHD」はニュージーランドとオーストラリアの(富士ゼロックス)現地子会社の会計処理が問題化していますが、汗だくのためお茶コーナーで一休みしたせいかどうか総会第2会場にまわされ、第2会場の挙手者は、まとめて第1会場のDブロック最前列に連れていかれたため、指名確率はもともと極めて低く、結局、発言できないまま終わりました。第2号及び第3号議案の取締役及び監査役人事の提案は、「第三者委員会」に調査させたのは当時の役員の「名折れ」であるという意識は感じられません。また社外取締役、社外監査役選任のネガティヴ・リストは掲げてあっても、海外展開が加速しそうな同社の状況下で、企業の海外展開に目を光らせる目先の利く人を充てるといったポジティヴな問題意識が欠如しています。ちなみに翌6月30日13時34分付日経電子版によると、会長と社長に対する再任賛成票が、前回の9割超えから8割台に低下していたそうです。
○ 採決時に、たとえ誤差を含む速報値であれ、議案への賛否が総会会場に表示されないのは時代遅れの感がします。議決権行使書の様式を工夫して読取機をつかえば、(機関投資家を含む)大株主であれ零細個人株主であれ、議決権行使がインターネット経由であれ議決権行使書(事前郵送又は当日会場入場時提出)であれ、採決時にリアルタイムで表示できるはずです。
○ 出席できず「議決権行使書」で賛否を表明したなかで、兼務他社の法令・定款違反を承知のうえでの社外取締役再任(三菱電機)、83歳と高齢の社外監査役新任(セコム)の2社は、招集通知資料にはいずれもおざなりの選任理由の記載だけで、マイナス面を凌駕する積極的な選任理由の説明が不十分です。
○ 各社とも「報告事項」「決議事項(議案)」「その他雑談」を混在一体で進めており、残りの挙手者がたとえゼロにならなくても「審議が尽くされたので採決」としているようです。この結果、決議事項(議案)についての発言を封じられるというのは、いかにも理不尽な話です。
しかも町内会でも生活協同組合総代会でも、決算及び監査は重要な決議事項(議案)の一つです。ところが国・地方公共団体の「予算」は議会議決(憲法86条、地方自治法96条1項2号、211条1項)ですが、「決算」は国会への報告書の提出(憲法90条)、議会の認定(地方自治法96条1項3号、233条3項)にとどまり議会統制が予算より甘くなっている印象です。会社の計算書類等は、株主総会に提出し株主総会の「承認を受けなければならない」(会社法438条1、2項)とありますが、各社の株主総会招集通知では、会計及び監査は「報告事項」にとどめています。この結果オリンパス、東芝等、これだけ会計処理に問題をはらんだ事例が続出する時代にありながら、「議決権行使書」において計算書類及び監査結果への賛否を表明できません。決議事項(議案)は会社にもよりますが、剰余金処分、取締役・監査役の選任、取締役へのストックオプション、(近時全廃に近い)企業防衛策等の事項にとどまります。このように会計書類を報告事項への「承認」(同条2項)にとどめ、その他の議案「決議」(同法295条2項)とは異なるという実務の使い分け方は、門外漢には理解に苦しむところです。
Ⅳ 町内会
2013(平成25)年度町内会長をつとめたあとも、2004(平成16)年発足の配水池上部公園(=居住地60から20メートルほど上部に位置し、町内会から見通せないため極めて危険な場所です。防犯カメラの設置と車輛乗入れ禁止の出入り口の設置の2条件のもと、日中のみ利用可能になっています)運営連絡会の町内会窓口役(書記兼務)をつとめています。日中開放時に連絡会が発足以来、町内会及び行政の人事異動があり、私が唯一の連絡会皆勤者です。昨年度は臨時連絡会までひらいて防犯カメラ不具合時に公園利用を中止させるルールづくりを3月にまとめました。行政が週末の運動公園利用者のため自動販売機を公園内に設置したいというので、公園及び住民の安全・安心の観点から、出入口の外(水道局敷地内)での設置をと交渉中です。
[ゼミOB会]
○ 幹事の尽力で、6月17日(土)午後二時からJALシティ田町(芝浦側)でOB会を開催できました。国会会期は前日終了でしたが、株主総会シーズンですから民間就職者の出席が危ぶまれました。昨年より幾分出席者数が少ないもののそれなりに盛会でした。今年の企画は、出席者全員が持ち時間1分内での近況報告で、出席者全員の消息を知ることができただけではなく、スピーチに各自の個性もにじみ出ていました。
○ 会場にカラオケセットがあったのを幸いに、上記近況報告の合間をぬって西野カナ「if」、藤山一郎「夢淡き東京→丘を越えて」、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」を披露しました。会の最後は、応援指導部出身の中島君の指導下「若き血」で盛り上がりました。
○ 二次会参加者が少なめのため、カラオケではなく喫茶のつもりがなかなか場所をとれず、何とか開店前の居酒屋に融通をきかせてもらいました(二次会には延べ8名参加)。
△ 昨年の横浜茶会(tea party)と同様、本年秋ごろに茶会を開催の予定です。
[音楽会等]
○ 緊張を強いられるコンサート会場へ出かけるのは、年のせいかだんだんおっくうになりました。スタジオ録画よりもLive録画が主流のTV「クラシカ・ジャパン」漬けの毎日です(一部番組からの録画やVODでの再放送を含みます)。20世紀の名演を含む古今東西の名演奏を視聴できるので、毎日楽しみです。
[カラオケ]
○ 6月の公益事業学会の折の旧友とのカラオケは、西野カナ「if」に始まり、昭和のアイドル(片平なぎさ、石川ひとみ)、演歌(森進一、北島三郎、伍代夏子、藤島恒夫、松村和子)等順調で、松浦あや「桃色片想い」は大いに盛り上がりました。ところがしばし耳から離れていた沢尻エリカ「タイヨウの唄」、NMB48「なぎいち」、きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」の3曲は、出だしが出てこなくて、完全にしくじりました(日頃のこころがけが問題と大いに反省!)。