近況報告 2022年6月28日(火)

今年は「エネルギー法」研究旗揚げ45周年(慶應義塾HP>慶應義塾大学学術情報リポジトリ>法学部>法学研究50巻12号)、県立神戸高校(旧制神戸一中)卒業60周年の節目の年です。primary balanceや金融緩和出口論さらに所得捕捉率の不公正税制(いわゆる9・6・4)が脇に追いやられ、相も変わらずバラマキ公約続出の参議院議員選挙は論評にも値しません。それよりなにより「コロナとウクライナ」は止みそうもなく、今を生きる社会科学者に突き付けられている課題です。分野こそ異なれ、「ルター新聞(ルター研究所ニュース)」78号(ルーテル学院大学ルター研究所、2022年5月)1面にも「ルターが今、この時代に生きていたら!コロナとウクライナの時代の中で考える」との江口再起所長のメッセージが掲載されています。

[I コロナ・パンデミックその後(巣ごもり通信)]

(1) 歯科医受診

年末から新年にかけて左上の奥歯痛に悩まされました。1月4日に開いている歯科医院はなかなかなく、ようやく見つけた某歯科に行ったところ、問題の奥歯は虫歯で根元が腐っており「抜歯」といわれました。

1976年5月にさかのぼると、西独ケルンの聖フランシスクス病院での盲腸手術の際に、「お前の歯はしっかりしてるか(fest)?」と奇妙なことを聞かれました。わが国の盲腸手術とは異なり、全身麻酔で意識がない状態での「腹の斜め切り」(余談ながら2012年、ボン大学のシュミット・プロイス教授宅で盲腸手術の話をしたら、夫人いわく「ドイツは今でも[斜め切り]よ」とのことでした)で「ついでに胃腸も引っ張り出して診ておいた」というくらいですから、舌を守るために硬いものでもかまされて、無意識に「痛い痛い」と歯ぎしりでもしたのでしょうか、(ケルン滞在中に珍しく歯に痛みを感じて歯科を受診したところ「どの歯が痛いのか分からない」と綿棒にオキシドールを侵ませて探し回ったあげく、ようやくここだとばかりに1本の一部を削られたその)左上奥歯1本が縦に割れたようです。ここで「ようです」というのは、術後入院中微熱が続いたものの原因がわからないままに平熱に下がって退院しました(入院中は痛み止めシロップと解熱剤投与のみの古典的治療)が、退院後数週間経って歯ぐきが垂れ下がったような違和感を覚え「歯槽膿漏か」と思い歯科を受診したときに判明したからです。しかも問題のこの歯は、もともと虫歯ではなく知覚過敏だったらしく、そのため抜歯は簡単ではなく「お前の歯はしっかりしてる(fest)」と、歯科医汗だくでやっとのことで抜歯し、その傷跡を縫わなかったため一晩中出血がとまらなかったという苦い思い出があります。帰国後、三田の酒井歯科で上手な入れ歯をつくってもらい重宝しましたが、経年によりつかえなくなり、その後は欠損のまま空洞にしていました。

今回実に44年弱振りの抜歯でした。ペニシリンで散らしたのち抜歯。次いで酒井歯科の入れ歯の際に支えに用いた「隣の歯も縦に割れてもたないので、[新しい入れ歯の邪魔で]抜歯」と、2本を立続けに抜かれ、都合3本が欠損となりました。この歯科は10日毎の受診というサイクルに加えて向こう都合で予約日を変えられ、だらだらひきまわされたあげく、「歯のクリーニング」と称して歯垢除去ののち生まれて初めてローラー状のもので研磨され、その結果エナメル質を傷つけたのか、煙草も吸わないのに前歯にくっきりと茶ないし黒色の線がついてしまいました。ステイン付着を避けるため、大好きな紅茶やハーブ茶を控え極力白湯にして、歯磨もホワイトニング系の歯磨(研磨剤無添加のシュミテクト)をつかっていますが、目に見える効果はありません。今はコロナからみで、マスクを外すのは歯科受診時くらいだからまだいいものの、美容上の話とはいえ、いくら年寄でもみっともない話です。なお、入れ歯は、転医した先で、当の医師もびっくりのフィットするものをつくってもらえました。

(2) 新型コロナワクチン3回目接種

新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)感染症(COVID19)対策の国産ワクチン開発・承認は出遅れていて、政府はいち早くファイザ-、モデルナ、アストラゼネカの3社と契約を結び、血栓の副反応がいわれたアストラゼネカ(これを台湾に融通)を除いた2社のワクチン接種に力を入れてきました。私は、「mRNAワクチン」に不安を覚えた(峰宗太郎・山中浩之『新型コロナとワクチン・知らないと不都合な真実』99~102頁[日経プレミアシリーズ、2020]参照)ため、塩野義のワクチンを心待ちにしていました。しかし先行のこれら核酸ワクチンの政治力(黒木登志夫『新型コロナの科学』251~252頁[中公新書、2020])なのか、非核酸である塩野義のワクチン認可は遅々として進まない(つい先日の報道では、塩野義のコロナ治療薬も同じ運命?)うちに、政府が一年遅での東京五輪を開催すると決定したため、応援を含む関係者の入国による感染拡大リスクにおびえ、私もついに昨2021月7月に近医でファイザ-を2回にわたり接種しました。幸い2回共に発熱・痛み等の副反応は皆無でした。

3回目接種は、抜歯等もあり引き延ばしていましたが、5月の大型連休による感染拡大リスクにおびえて2022月4月18日に近医でファイザ-を接種しました。接種による発熱等はなかったものの、1日おいて、数年間眠っていた持病が再発しました。因果関係は証明されていませんが、主治医も「副反応の可能性を否定出来ない」との話です。持病再発は一過性で終わりましたが、その後の2か月間強というもの、いつもの昼食後の午睡では足りずに朝食直後も仮眠が必須とか、白目部分が出血を起こしたり(結膜下出血と診断)、立ちくらみ寸前のため一大事の前触れかと受診したり、左アキレス腱付近の違和感というふうに、このところ体調不良が続いています。このため、日々の体操メニューのうち、体幹トレーニングの時間を(ゼロ~24秒の幅で)調整せざるを得ません。おらくは狭義・広義双方の「副反応」ではないかと推測しています(宮沢孝幸『ウイルス学者の責任』92~97頁[PHP新書、2022年])。聞くところでは、わが国全体で3回目接種が6割強にとどまるというのは、ある意味賢明であり、3回目接種者優遇の旅行・催事の企画等は考えものです。ましてや子供のみならず子づくり可能性のある年代には、将来の遺伝子への影響が見通せないため、4回目接種は論外です。4回目を高齢者と基礎疾患者に限定するとしても、被接種者が副反応で悩まされたり寿命を縮める逆効果も懸念され、各自慎重な判断が求められます。

[Ⅱ 執筆・公刊]

(1) コロナ

昨年8月1日脱稿の「わが国コロナ・パンデミック危機管理前史――感染症法制定から2020年3月特措法改正まで(1)(2)(3)(4・完)」は、法学研究94巻12号~95巻3号の4回にわけて分載されました。「刊行日から半年後に電子データ公開」ですから、現時点では上記のうち連載(1)回目が、慶應義塾HP>慶應義塾大学学術情報リポジトリ>法学部>法学研究94巻12号で閲覧可能です。

先便でも軽く言及していますが、上記論文の校正は大変で、ある意味執筆以上に疲れる作業です。おまけに再校正のゲラ刷りの自宅到着の順序が入れ替わり、一時は配達ミスではなく当方のミスと勘違いされるという不快な出来事もありました。極めつきは95巻3号(3月25日刊行予定)「(4・完)」でして、初稿が1月23日(同81頁に記載)でありながら、実際の刊行は6月で実に四半期遅れという不可解さです。かくして6月下旬にようやく抜刷り50部の発送を完了しました。

ちなみに上記「学術情報リポジトリ」の「刊行日から半年後」は、名目上の刊行日を基準にしているようなので、おそらくは今年9月末に、今回の論文全文の登載が完了になると思われます。

(2) ウクライナ

実に2018年のクリミア戦争から延々続いている本年2022年のウクライナ戦争は、仕掛人がプーチン本人だけであれば、彼が失脚すれば直ちに戦争終結ですが、どうやら彼の歪んだ歴史観、選民思想、使命感は、ロシア正教を含めた周辺に共有者・扇動者がいるようです。いってみれば旧約聖書でいえばイスラエル民族の「出エジプト」作戦であり、近代でいえばナポレオンやヒットラーのちょうど逆方向にロシアが西に向かって攻撃するものですから、根の深い話で一筋縄ではいきません。

とはいえ「ウクライナ戦争」そのものの分析はその筋の専門家に任せて、私自身は、先便で次作第1候補に挙げていた脱炭素過渡期の「エネルギー危機」という題材を、ウクライナ戦争によりもたらされたここ半年の間の変貌、いわば今日的「危機」に焦点を移して執筆すべく、目下構想中です。ちなみに欧州へのロシアの天然ガス輸出のトラブルは珍しくなく、2007年1月19日、NHK BS1「今日の世界」で「『脱ロシア』EUエネルギー政策の模索」と題するコーナーにゲスト出演したことがあります。

日々刻々の状況変化についていくために、論題・目次・検証命題(仮説)も、日々変化しているというのが実情です。法学研究に寄稿となると、おそらくは1号に収まりきれない分量になりそうで、校正まで考えると、荷の重い仕事になりそうです。

[Ⅲ 社会貢献]

町内会関係では、これまで幾度かとりあげた配水池上部公園をめぐる行政との連絡会は継続です。昨年新たに「配水池上部公園を、災害による区内の道路・公園の(枝を含む)倒木の一次保管場所にする」との「提案」というよりも「通告」を受けました。仮に第二配水池上部全体に倒木を置くのなら、面積的・体積的に申し分ないことでしょうが、配水池の水瓶の蓋は極めて「やわい」ので、やたらと物置場にすべきではありません。のちに水道局と詰めた結果、配水池部分ではなく道路部分に限定することになり、まさに「大山鳴動して鼠一匹」です。また配水池は崖の上にあり、ここへ車両で倒木を搬入し搬出すること自体が、「脱炭素」時代に逆行します。空きスペースのある近くの旧清掃工場等がより適地といえます。公園を候補地にすると、車両通行の騒音、保管時の枝の葉等のほこり、白蟻リスク、搬出直前の倒木・枝の切断による木くず等のほこりに加えて、何よりも強風の立地場所ですから、自然発火・放火の危険性は他の場所以上に深刻です。消防出張所の裏手ですから、公園から出火すれば消防署の恥になります。また人が倒木の上に乗ると危険です。ところが「保管期間は公園を施錠・全面閉鎖する」といいながら、週末・休祭日に運動クラブには利用させる方針といいます。これまで運動団体は、車両通行の度の門の開閉原則を遵守しないで、利用時間帯は車両通行門が開いたままで、上部の駐車場入り口で(ときに子供が?)進入車両をチェックしていたのみです。倒木の保管期間に限って、通行の度に車両門の開閉をするとしても、開閉時に人、自転車が入り込むことを阻止できるか等のリスクが残ります。我々には公園の安全性よりも運動団体の利用を優先させようとするようで、運動団体が票田の議員の顔がちらついたと邪推したくなります。ここにはいちいち記しませんが、交渉過程で、「説明責任」が求められる令和の世とは思えないような旧時代的台詞を再三聞かされ、市長選挙で新人市長にかわったものの、旧態依然です。そういえば新市長はカジノ撤退後始末と新型コロナワクチンしか興味がないように写り、「市長交替が行政の末端に浸透していない」ことの証左でもあります。最後に一言、野放図に大きくなった多数の街路樹(名古屋は植え換えたとか)や公園の樹木の平時の管理を検討すべき時期にきています。

[Ⅳ TV・You Tube]

最近TVでは、韓ドラは一服状態。「医女明妃伝」「両世歓」等、華ドラをよくみています。「音楽」は、西野カナの事実上引退以降はポップスと疎遠になり、もっぱらモーツアルト等、クラッシック音楽を楽しんでいます。

では次回(12月頃)、またお目にかかりましょう。

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